巻頭カラー連載
Harmony of Life⑤
井上 冬彦
1
1井上胃腸科・内科クリニック
pp.487
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100307
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- 文献概要
二〇〇〇年に出版された二冊目の写真集『サバンナの風に吹かれて』(講談社)。その出版記念写真展の会場で象徴的な出来事が起こった。初日、開場とともに入ってきた女性が、最初の写真を見たときから涙を流し続けながら会場をまわっていた。そして帰る前、感想ノートに「すべてのいのちはつながっていて、大きないのちも小さないのちもその流れの一部。自分もその一部だとわかったとき、孤独感が消え、生きる勇気が湧いてきました」と書いてくれた。
それまで漠然といのちの循環の大切さを感じながらも、それを意図して写真を撮っていたわけではなかった。ところが、私の写真からそのことに気づく人がいることの驚きと喜び……。これを契機に、私は「いのちの本質とは何か」という答えを求め始めた。
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