調査・研究
術後早期からのリンパ浮腫予防の効果―婦人科がん患者へのセルフマッサージ指導を通して
西田 恭子
1
,
川本 かおり
1
,
保宗 幸子
2
1大阪府立成人病センター看護部
2前・大阪府立成人病センター看護部
pp.1126-1130
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100234
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はじめに
婦人科がんでリンパ節郭清を含む手術を受けた患者がリンパ浮腫を発症する確率は5~40%と言われている.当院においても,術後患者の55.3%が下肢の浮腫を感じていることが明らかになっている1).また,一度発症したリンパ浮腫は完治が非常に困難であり,当病棟の入院患者からも,しばしば「手術後に脚が腫れたらどのように対処すればよいのだろうか」という不安の言葉を聞くことがある.また,退院後「脚がだるい」「歩きにくい」といった日常生活上の不自由さを訴える患者も少なくない.
そこで私たちは,マニュアルやパンフレットの作成,ビデオ製作に取り組み,フェルディ法*による用手的リンパドレナージ(以下,MLD)指導を看護業務に組み入れて,リンパ浮腫に対する正しい知識とその対処方法であるMLDを,入院期間中から指導することにした.また,これを通じて身体的・精神的苦痛の緩和をはかり,退院後のQOLの低下を防ぐとともに,リンパ浮腫に対する不安の軽減につなげることを目的とし,以下の研究を行なった.
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