特集 「コーチング」で失敗しないために知っておくこと 患者さんにホントに届くアプローチ
私の「いきなりコーチング」の顚末―スキルだけでは通用しないと気づいたとき
奥 朋子
1
1千葉大学医学部附属病院
pp.224-225
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100041
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コーチングにおいて使われるスキルの多くは,看護職者が,すでに日常的に患者とのかかわりの中で使い慣れているものである.私も,自分自身がコーチングを受けた体験から,「今まで何気なく使っていたけど,質問のときはオープンクエスチョンを使って,傾聴,承認を意識してかかわれば,きっとうまくいくんだ」と信じていた.
意気揚々とコーチングスキルを使ったが……
川田さん(仮名)は40歳代の女性,乳がんの手術目的で入院してきた.初めての入院ということもあり,入院時はかなり緊張した表情であった.またカルテには,「手術の選択肢を複数提示され迷っている」という情報が書いてあった.私は,川田さんには納得して手術方法を選択してもらいたいと思い,入院当日に手術の方法についてどんなふうに迷っているのか,さっそく話を聞いてみることにした.
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