特集 必修.周産期の心のケア
お母さんがしっかりとサポートされているということ
橋本 洋子
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院周産期センター
pp.1028-1032
発行日 1998年12月25日
Published Date 1998/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903471
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ひとつのお産の物語──個人的な体験から
15分おきに来ていた陣痛が,入院と同時にパタリと止まってしまった。今から20数年前のことである。私は第1子の出産のため,某国立病院に入院していた。
部屋で所在なくお産の本を読んでいると,助産婦(看護婦であったかもしれない。以下同じ)が入ってきて,「本読んだって,いいお産ができるわけじゃないのよ。……まったく,このごろの人は頭でっかちなんだから」と言った。そのとおりだと思いつつ,先の見えない不安がますます増した。
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