特集 ダイナミック助産婦外来
中堅助産婦の挑戦:妊産褥婦のQOLを高める助産婦外来の開設—聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター
加藤 ひな子
1
,
広瀬 直美
1
,
山田 恵美
1
,
平山 亜紀
1
,
山下 信子
1
,
斎藤 利江子
1
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター産科部門
pp.304-308
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902856
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はじめに
当院は,およそ100万人の人口を抱える静岡県西部地区に位置する,ベッド数744床の総合病院である。1962年の開院当初は「産婦人科」としてスタートしたが,1977年に産科単科となり,同年,未熟児センター(現在の新生児未熟児センター)が開設された。1998年には,周産期医療の第三次救急病院として総合周産期母子医療センターの認可を受けた。もともと産科と新生児未熟児センター44床(以下NICU)の連携によってハイリスク妊産婦の治療・看護に取り組んでいたが,さらに当センターの役割が明確になった。
当センターは,年間1400件前後の分娩に対応している。助産婦は,もともとハイリスク妊産婦看護の充実が一つの目標であった。しかし,正常分娩対象者が全件数の約2/3を占める現状において,“正常経過であれば,助産婦が診察・指導・分娩介助まで実践して,産む人の思いを理解し,その人自身が持てる力を発揮できるような本来の助産婦業務を追求したい”という思いが,中堅助産婦を中心に高まってきた。それまでにも母親学級・両親学級・外来指導・母乳外来・電話による退院後の育児相談等,様々なアプローチを行なってきた。次第に「助産婦自身のカラーも出し,責任を持つ」という,助産婦の自律を目指すことが目標となった。
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