連載 とらうべ
世界自然遺産 屋久島の自然を思う
松本 毅
1
1屋久島野外活動総合センター
pp.183
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902828
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屋久島に移り住んで14年がたった。東京でサラリーマンをしていた頃には想像もつかないほど多くのことを,屋久島の自然から学んでいる。
筆者が来た当時の屋久島は,世界遺産でもなく,過疎の進む何の変哲もない離島だった。草刈りや刈った草を燃やすことに1日を費やし,海岸に流木を拾いに行ってはそれで五右衛門風呂を炊く,そんな日々を送っていた。大雨や台風に閉じ込められどうにもできなかったり,壮大な夕日や満天の星空などを見ると,自然に対する脅威の念や畏敬の念が生まれた。都会では接することのできない本物の自然が,ここにはある。
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