特集 どう援助していますか.外国人妊産婦
ブルガリアと日本での出産体験記
ヴェリーナ・P・ベロノワ
,
岩本 美佐子
1
Velina・P Beronova
1天日助産所
pp.663-667
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902460
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私は日本に住んで,もう7〜8年になります。日本に来た最初の頃は,習慣や生活があらゆる面で違っていたのでとても苦痛に感じられ,どうしたら日本でやっていかれるのか不安でした。その時は,日本で子どもを産むなんてことは,夢にも思いませんでした。
日本では,日本人と日本人でない人との区別は,男と女のそれぐらいあり,私は自分がいつも不利な側にいると感じていました。夫は大学で数学の研究をしており,私は家事や育児をすべてまかせられる中で,日本の文化を享受したり知識を得たりという気にはなれませんでした。今はもう9歳になる息子は日本の学校に通い,母国語より日本語のほうが,話すのも読み書きも上手にできますが,私はといえば,習慣,言葉,気候と,何においても日本の国との溝を深めるばかりでした。
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