特集 女性HIV感染者を援助する
HIV感染妊産婦のケアの基本
清水 協子
1
1都立広尾病院産婦人科病棟
pp.567-572
発行日 1999年7月25日
Published Date 1999/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902203
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はじめに
HIV(human immunodeficiency virus)は感染力は弱いが,いったん感染するとその根本的な治療法が未だ確立していないため,“感染が死に直結している恐ろしいウイルス”というイメージが強い。実際,HIV感染者と接している医療従事者の中にも,このようなマイナスイメージや抵抗感が,根強く残っていることが多いのが現状である。しかしここ数年,異性間感染による女性感染者が増加していることを考えると,周産期医療の現場で働く以上,HIV感染者と接触する可能性は誰にでもあるということは認識しておきたい。
筆者が今年3月まで勤務していた都立大塚病院では,1999年2月までに延べ26例(初期および中期の妊娠中絶11例を含む)のHIV感染妊産婦を受け入れてきた。当初,HIV感染妊産婦を受け入れているにあたって作成された基準も,検討を繰り返し,かなり合理化されてきた。
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