特集 母乳育児成功のコンセプト(下)
母乳をめぐる問題解決
卒乳の考え方—離乳・卒乳の相談と実践
南部 春生
1,2
1朋佑会札幌産科婦人科心療内科
2聖母会天使病院
pp.842-847
発行日 1998年10月25日
Published Date 1998/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902024
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はじめに
母乳育児が離乳食の完了と併行して,自然に終了することを「卒乳」(以下同)という。これは,かつての生後4〜10か月,遅くとも12か月までには母乳をやめるべきとした「断乳」とは異なり,児の発達行動の中で生じる不安を母乳の授乳を介して解消し,母子間の信頼関係を充電するに要する2〜3歳までの期間をも考慮し,広義の意味で「自然卒乳」を提唱するものである。
このようなことは混合栄養児,人工栄養児とは異質のことではない。むしろ,どの場合であっても,母親や周囲の者が常に児を優しく受容するように支援することが医療保健関係者に求められている。
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