今月のニュース診断
性暴力を許さぬ社会に—被害者を支えるさまざまな動向
藤原 美幸
pp.548-549
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901965
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校内で暴行された女子生徒
1996年12月下旬,当時中学3年生だった旭川市の女子生徒が校内で男子生徒11人に取り囲まれ,トイレで6人から暴行を受けた。中学1年の頃からわいせつ行為など受けていた女子生徒は,担任教師らに何度も訴えたが信じてもらえず,無視されたと言う。
今年の4月,女子生徒と両親は旭川市などに損善賠償を求める訴えを旭川地裁に起こした。原告代理人の弁護士は「犯行場所が校内という驚きだけでなく,特定の女子生徒に長期にわたり性的虐待の限りを尽くしているケースはいままでにない」と語った(4月10日読売新聞解説)。学校側は「男子生徒がいやらしいことをする」と認識はしていたが,内容は深刻なものではなかったとしている。この事件は今後法廷で事実認定が争われる。
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