特別寄稿
「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」に選ばれて—母乳育児への道
杉田 茂仁
1
1杉田産婦人科医院
pp.1055-1059
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901843
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母乳育児へのプロセス
私は,実地産婦人科医としての発想を転換し,母と子にやさしい分娩と育児を目指して1994年9月よりソフロロジー式分娩,完全母子同室,完全母乳育児による新生児管理に移行した(表1)。そして母乳育児への道を選んだのであるが,今年,日本母乳の会の推薦でユニセフ&WHOの「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」に認定されるに至った。心の引き締まる思いである。
私は以前は新潟大学産婦人科に在籍し,1969年に市立甲府病院産婦人科医長として赴任,7年間勤務した。この間は婦人科関係の仕事に追われて産科は助産婦にお任せであった。1976年,私は当地に13床の産婦人科医院を開業した。当初は年間400前後の分娩があり,従来の方法で管理していた(表1)。その後,同じ診療圏内に山梨医大病院と3か所のデラックスクリニックがオープンし,当院の分娩数が減少,年間分娩数が250を切った。損益分岐点である。
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