特集 異常分娩をめぐる最新マネージメント
羊水混濁のマネージメント
リチャード・ポール
1
1南カリフォルニア大学
pp.309-315
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901688
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1990年の米国の統計で(オクラホマ州を含まず),よく見られた産科合併症は,中等度〜高度羊水混濁24万例(全分娩の5.9%),(緊急措置が必要な)心配な胎児心拍数(FHR)パターン15万9千例(3.9%),骨盤位15万2千例(3.7%),前期破水13万3千例(3.2%),CPD 13万2千例(3.2%)(ニューヨーク市はこのCPDの診断名を使用,ニューヨーク州は使用せず,テキサス州は報告していない),難産11万8千例(2.9%)などであった。その年の米国の総分娩数は410万例であった。
中等度〜高度羊水混濁は最も頻繁に見られる分娩時の合併症で,中等度〜高度羊水混濁に合併する胎便吸引症候群(Meconium Aspiration Syndrome;MAS)は11,408例(分娩1,000例中2.8例)であった(NCHS 42,July 8,1993)。胎便排出は分娩進行中に極めてよく見られる合併症で,胎児成熟を示す正常で生理的な出来事であるが,時に胎児のストレスやディストレスを示していることもある。したがって,羊水混濁だけでMASが発症するのかが問題である。
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