特集 自由な分娩体位—寝ないお産の達人になる
フリースタイル出産に関する文献
河合 蘭
pp.653
発行日 1996年8月25日
Published Date 1996/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901534
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分娩体位に関する研究は,臨床の状況を思うと意外でならないほど早期からあり,数も決して少なくない。海外では,1960年にはカルディロ・バルシア博士による初期の代表的論文が発表され,70年代終わりまでにはかなり数が増え内容も充実した。日本にこうした考えが紹介されたのは1979年,東京で世界産婦人科学会(FIGO東京大会)が開かれたときで,当時のFIGO会長バルシア博士が上映した立位出産のフィルムや分娩体位のセミナーが大きな反響を呼んだ。以来,日本人産科医の間にも仰臥位出産を見直し,座位分娩を提唱する動きが出てきた。
一方,分娩体位の見直しは出産を女性の手に取り戻す運動とも結びついている。1982年,イギリスでは「アクティブ・バース宣言」が出され,6000人の女性が集い,自由な体位で出産する権利を主張するデモンストレーションとなった。 現在,日本語による非仰臥位出産の資料には,この二系統がある。前者は医学的観点から,後者は出産哲学の観点から見て共に欠かせない。フリースタイル出産を実践している助産婦によく読まれている文献を,発行年順にご紹介する。
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