特集 難産のとらえ方と対応
難産にならない分娩時のケアを求めて—欧米の文献からみたサポートの効果
戸田 律子
1
1日本出産教育協会
pp.380-385
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901470
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「お産,どうだった?」と聞くとまずは「安産でした」「難産だったんですよ」といった返事が多い。よく聞いていると,お産の進行状態よりも,そのときの不安や恐怖感,そして辛く思い出したくないほどイヤだったと感じたときに「難産」という刻印が自分のからだに押されると感じるようだ。
難産の身体的危機はなんとか救わなければならないが,それ以前に難産をおこさせない分娩時のケアはないものだろうか。また,たとえ分娩進行が思わしくなかったとしても,少なくとも母親としての出発点に立つ産婦が,出産をプラスに捉えていくことができないものだろうか。とくに薬剤や処置というよりは,生身の人間ができるケアを私は探りたいと思った。
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