特集 助産婦とコウ・カウンセリング—聴く力を身につけて深い関係をつくる
コウ・カウンセリング総論—人生をよりよく生きるためのシンプルな道具
安積 遊歩
1
1コウ・カウンセリングの会
pp.269-275
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901447
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はじめに
コウ・カウンセリングは,またの名を再評価カウンセリングと呼ばれる,非常にユニークで実践的な理論であり,人々の間の助けあいのための道具である。その理論の支柱は,対等性を実現することにある。大人と子ども,障害を持つ人と持たない人,女と男,生徒と教員,患者と医療の専門家,こうした関係の中に対等性を実現しようとする試みがコウ・カウンセリングである。
長い間,私たちは人はみな平等で対等で,自由な存在であることを知りながらも,それを実現する方法を知らないできた。コウ・カウンセリングは真摯に話を聞き合うために一定の時間を等分に分け,カウンセラー役とクライエント役を交替しあうことで,その社会的背景や立場を超えた対等性を創出する。その歴史は,アメリカに始まる。
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