特集 性科学の水準—第12回世界性科学学会の業績から
[デイナ・ラファエル氏インタビュー]やさしさがテーマ—幼児期に性的虐待を受けた女性たちの癒し
本誌
,
戸田 律子
pp.992-996
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901371
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「なんじ性的虐待をするなかれ」
本誌 お久しぶりでお目にかからせていただきました。ラファエルさんは,世界の女性たちに母乳育児の重要性を強調されていらっしゃいました。今回の性科学学会では,子どもの性的虐待にテーマをあてていらっしゃいます。どのような経緯でたどりついたテーマなのでしょうか。
ラファエル 私は,サポートをしていくという行動そのものについて興味を持っていました。ドゥーラなど,援助行動のパターンについて研究をしていたわけです。そうやって女性とつきあっていくうちに,気になることが出てきました。たとえば,どうしても母乳をあげたくない女性や,「母乳じゃなきゃダメ」と,とりつかれたように必死になる女性がいたり。どうしてなんだろうと思いました。なにが彼女たちの中で起こっているのかと。そうしましたら,たくさんの女性たちが子どもの頃に性的虐待を受けていることがわかりました。それからは,女性とその女性の過去との関係について興味を持つようになりました。
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