特集 病院における完全母子同室
[座談会]見守って,できないところは手を添えて—国立岡山病院産科の8年
神津 トミ子
1
,
有道 順子
1
,
松重 泰代
1
,
真壁 文恵
1
,
神原 喜美恵
1
,
楢原 千枝子
1
1国立岡山病院産科病棟
pp.972-981
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900928
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まずメンバーの意思統一を
神津(司会)私たちの国立岡山病院は1984(昭和59)年6月より母子同室への試行に入って,1985年6月からは出生直後から同室とする完全母子同室制を取り入れて実施しています。完全母子同室制を始めて8年以上が経過した今では,生まれてすぐの赤ちゃんとお母さんが一緒にいることはごくあたりまえで,離れていることのほうが考えられなくなってきています。しかし,振り返ってみるといろいろなことがありました。きょうは最初から母子同室に取り組んできたメンバーに集まってもらい,これまでの過程での問題点や悩み,喜びを含めて,率直に話していただければと思います。
有道 1983年のある日,今年亡くなられた山内逸郎先生に「母と子を離してはいけない」と言われた,この一言が母子同室を始めるきっかけでした。最初は母子同室のイメージがまったく浮かんでこなかったので,まず最初は施設見学に行きましたね。
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