連載 とらうべ
バンクーバーのICM大会で刺激されたこと
良村 貞子
1
1北海道大学医療技術短期大学部専攻科
pp.603
発行日 1993年8月25日
Published Date 1993/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900846
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第23回ICM大会が,私の住む札幌と同じような気候のバンクーバーで,5月9日,6日間の幕をあけました。5月9日はちょうど母の日。登録フロアには“Mother's Day”のポスターがあり,世界の助産婦の集いとの調和のよさに感心しました。このポスターが,「母」に感謝するというだけでなく,この「母」を守るのはわれわれ「助産婦」であるという強いアピールの意味を含むものであると感じたのは,私だけではないと思います。
この思いをさらに強くしたものは,開会式での来賓挨拶とキャロル・ハード会長の講演に対する,会場にいる世界(特にカナダ)の助産婦のスタンディングによるすごい拍手でした。実は,バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州では助産婦が法的に認められていません。ICM大会をバンクーバーで開催したのも,法的認可をかちとろうという,州の50人(!)の助産婦たちの意図があったからでした。専門職として自立するのだという気迫に,私は圧倒される思いがしました(大会2日目,助産婦の法的資格がまもなく認められるという大会場での発表がありました。すばらしい快挙です)。
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