特別寄稿
浜松地方の出産に関する一習俗—山瀬家のコヤ(産屋)のあとを訪ねて
安澤 菊江
1
1埼玉県立衛生短期大学専攻科(助産学専攻)
pp.845-850
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900667
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はじめに
民俗学を学ぶ
「民俗学とはどんな学問か」と、友人とかつて討論したことがあるが,これが私の民俗学との出会いであった。そして,私は医学系とはまったく異なる分野を学ぶことになった。わからないことだらけであったが,日本人の一般庶民の生活史を見つめることを学んだ。某市史調査員として,産育面の調査での貴重な体験も得られた。
これら民俗学的調査には「書き残されたものは少ないので,母や祖母から伝承しているものから探る」という方法がとられる。産育面の調査では特に助産婦の知識の専門性が生かされ,また,人間が守り伝えてきた知恵の大切さを学ぶことができた。
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