新生児学基礎講座[臨床編]・27
未熟児網膜症(ROP)
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学・母子総合医療センター新生児部門
pp.75-81
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900494
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1.はじめに
未熟児網膜症はその原因が不明であったところから,最初は病理学的所見からの名前で,Retrolental Fibroplasia(RLF)と呼ばれていた。すなわち,その病理所見は剥離した網膜が線維状の物質として水晶体の後方に付着している所見であった。それが未熟性によって起こる疾患であることが明らかとなり,Retinopathy of Prematurity(ROP)と呼ばれるようになった。本邦でも未熟児に見られるが,未熟性に起因する疾患であることを明確にする意図で未熟網膜症がより適切であるという意見があり,現在はその両者を兼ねて未熟(児)網膜症と記載されることが多い。
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