連載 ちょっとサイエンス
細胞膜の不思議
牧 智子
pp.946
発行日 1991年10月25日
Published Date 1991/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900439
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細胞生物学の誕生
動物も植物も,多数の細胞からできているという「細胞説」が唱えられはじめてから約150年。この間に行なわれた膨大な研究により,細胞に対する理解は飛躍的に高まってきました。とくに電子顕微鏡が発明されてからの生物学の発達は目覚ましく,電子顕微鏡による細胞研究によって「細胞生物学」という新しい分野が確立してきたほどです。電子顕微鏡は1933年にすでに発明されていましたが,これで細胞を観察するようになったのは1950年代に入ってからのことです。
細胞生物学によって細胞への理解は深まりましたが,一方では自然界には存在しない雑種細胞が作られたり,遺伝子操作で細胞の性質が変えられたりといった問題も発生しています。
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