特別寄稿
人工妊娠中絶実施可能時期の短縮にともなって生じる諸問題
宮路 太
1
1埼玉医科大学小児科
pp.830-835
発行日 1991年9月25日
Published Date 1991/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900415
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優生保護法の改正1)
優生保護法は1948年に成立した法律で,第1条に「この法律は,優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに,母性の健康を保護することを目的とする」とあり,主として優生手術(不妊手術)と人工妊娠中絶について規定している。人工妊娠中絶時期については,優生保護法の第2条で「胎児が母体外において生命を保続することのできない時期」と規定されている。
時期の基準は新生児医療の進歩とともに変化してきた。1953年の事務次官通知では,妊娠満28週未満であったが,1976年には満24週末満となり,1990年3月20日付の次官通知で22週未満となった。この通知の実施は1991年1月1日からなされている。
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