クローズ・アップ
「与えられる医療から参加する医療へ」インフォームド・コンセントの徹底をめざす 山田 哲男医師
本誌
pp.179
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900271
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看護の現場においては「患者中心の看護」が言われて久しいが,医療現場でも遅ればせながら,患者中心の医療に目を向ける医師がふえてきた.日本医師会生命倫理懇談会も昨年,世界の潮流となりつつある「インフォームド・コンセント(説明と同意)」に関する日本医師会独自の報告書を発表した.
「医療を良くする会」(名古屋市)のメンバー,愛知県・常滑市の山田哲男医師は患者の権利確立を以前から主張してきた一人で,インフォームド・コンセントに関しても,患者の立場に立った発言をつづけている.インフォームド・コンセントを支えるものは,旧来の医療者一患者関係からの脱皮と両者の対等な関係づくりである.山田医師は,その実践の一つとして,6年前に産婦人科医院を開業する際に,医師の椅子と患者の椅子を逆転させた.医師が動きやすい丸い回転椅子に,患者がゆったりとできるイタリア製黒皮背もたれ椅子に座ることにしたのだ.
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