連載 新生児学基礎講座[臨床編]・20
呼吸障害児の管理
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学・母子総合医療センター新生児部門
pp.158-164
発行日 1991年2月25日
Published Date 1991/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900266
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1.新生児の呼吸管理の原則(表1)
呼吸管理は新生児医療の中で最も重要な位置を占めるものの1つである。その理由は呼吸障害(未熟性による無呼吸発作や呼吸窮迫症候群など,および出生時の適応障害に伴う一過性多呼吸症など)の発生頻度が高いこと,一方で近年の人工換気療法を含めた呼吸管理の進歩が,未熟児の生存率の向上に極めて大きな役割を果しているからである。
新生児の呼吸管理を正しく行なうためには,すでに基礎編で述べた新生児の生理学的・解剖学的特徴,および呼吸循環における適応生理を理解しておかなければならない。また,後述するように,未熟児網膜症の発症予防の目的で血中酸素濃度を連続的に監視して一定範囲に止めなければならないことも,新生児の呼吸管理が成人や小児のそれと大きく異なる点の1つである。
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