連載 話の聴ける助産婦になるために・6
カウンセリングによる心の理解
私的世界を理解する
大須賀 克己
1
1日本グロースセンターカウンセリング研究所
pp.760-763
発行日 1988年9月25日
Published Date 1988/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207469
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相互依存で生きる
関係を築くためには,お互いの心を理解することが必要です。特にカウンセリングにおいては,それが中心になって展開されます。助産婦の皆様にとっても妊産婦と接する際に大変重要なことです。しかしながら現実の社会生活においては,お互いに心の疎通がはかれないために,精神的な苦痛を経験しなければならないことが多いのです。親子間の葛藤,あるいは職場での人間関係においても,お互いの心の理解が不十分であるところから,多くの問題が生じているといってよいでしょう。
人間は生まれてから大人として成長するまで,他の動物と比べ,依存的期間が長いことはすでに述べました。つまり,私たちはお互いに依存しあって生きていかなければならないのです。その基本は,共に理解しあって,心の平和を保ちながら生きていくことにあります。私たちはこの社会の中で,一人では生きていけない弱い存在であるからこそ,お互いに理解して安心を得たいと思うのです。
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