特集 エイズ,ATL,STD
エイズの臨床
根岸 昌功
1
1都立駒込病院感染症科
pp.545-550
発行日 1988年7月25日
Published Date 1988/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207417
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はじめに
米国から数年おくれて,日本でもエイズ患者が発生した。昭和60年3月に日本第1例が報告され,昭和63年5月にはエイズ患者数は計80例,エイズウイルス感染者は計1,038例になった。日本の特徴として,凝固因子輸血で感染した例(血友病患者への治療による感染)が大半を占めているが,これからは性行為を介しての感染が増えるだろうと心配されている。また,性習慣の違い,麻薬・覚醒剤流行の程度の違いから,米国ほどの激しい流行はないだろうとも言われている。
しかし,医療従事者にとっては感染者の診療をする機会が増えることは十分に予想されることである。以下に,エイズの概要とエイズ診療の注意すべき点とを述べてみたい。いずれもまだ不確定な部分があり,訂正しなければならない点もあるだろう。
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