連載 続・ペリネータルパソコン入門臨床応用篇・3
パソコンによる人工知能
橋本 武次
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.505-507
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207404
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえおき
小型化されたパソコンが現われてから,コンピュータといえばむずかしいものというイメージは去って,年毎に身近かなものになってきた。コンピュータの機能は人間が行なうすべての能力をもっているといわれ,現在・パソコンはいろいろな分野で活用されている。このパソコンが最も得意とするのは計算である。そのほかにもパソコンは図表や絵を描いたり,作曲や演奏をやったり,ロボットを動かして仕事をやらせるなど多くの分野で活躍している。しかもパソコンは複雑な作業を正確で迅速に実行する一方,単純な仕事でも飽きることなく忠実に行なってくれる。
ここでは人間の最も秀れた特徴である知能活動をパソコンに代行させる人工知能の実例を紹介する。コンピュータによる人工知能の利用は,ビジネスや工場などでもつい最近から始まったばかりであり,医療分野ではまだ一部で試みがなされている段階である。頭痛や小児発熱のコンサルテーション・システム,先天異常診断支援システム,腎疾患治療支援システムなどが知られている。近い将来には妊産婦の管理や診療,看護や保健指導などの分野にも広くとり込まれてくるものと思われる。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.