連載 助産婦職能の変遷を探る・25
戦前の産児調節運動と優生思想(2)
大林 道子
1
1東京女子大学短期大学部
pp.694-700
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207201
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山本宣治(1889-1929)
山本宣治は,彼の専門の生物学による根元的な立場から産児調節を肯定し,それを政治・社会問題にまで展開していった。
山本が産児調節運動に入っていったのは,1922(大正11)年3月,サンガー来日の折,講演の通訳をしたのが契機といわれているが,それより前のカナダ留学のとき,アメリカでサンガーに逢っているし,馬島の自伝によると,1919年ごろ,馬島の活動を聞いて訪ねて来て,将来,二人で産児調節運動を全国に広めよう,と話し合っている。
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