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エイズ:新たなる差別と偏見の病い
中嶋 真澄
pp.280-281
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207105
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AIDSその後の1か月
日本初の女性エイズ患者出現,死亡というニュースは,一般の人人のあいだにエイズを我がこととして受けとめさせ,過剰ともいえる反応をひき起こした。新聞紙面にはエイズ関連の記事がとだえたことがない。テレビ,週刊誌の過熱報道はいたずらに恐怖心をかりたてる結果となった。
そして,あれからわずか1か月後。今度は高知県内でエイズに感染した20代の女性が妊娠,出産を間近に控えているという事実が明らかにされ(2月17日各紙),母子感染の恐れが出たことで,わが国のエイズ問題はますます深刻化。同時に,高知県内でエイズに感染した看護婦がいるとの報道などが重なり,人々の恐怖心はさらに高まりまさにパニック状態をきたしている。
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