連載 先輩に学ぶ・4
波涛をこえる千鳥のごとく—佐倉市の豊村チトリさん
熊沢 美奈好
1
1神奈川県衛生看護専門学校
pp.962-968
発行日 1985年11月25日
Published Date 1985/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206760
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今日を生きる
豊村チトリ氏のお名前を初めて伺ったとき,そのかわいらしい名前にほのぼのとした気持になったものである。今までの人生にあまり苦労もなく,おっとり過ごされてきた方ではないかと想像されたが,氏がご自分の歩まれてきた道をつづった"手記"を拝見すると,おっとりどころではない,山あり谷ありの通常でないご苦労の体験の日日が書かれてあった。しかし,豊村氏は数々の辛苦にめげることなく,かえってそれを栄養としながら,今は静かな精神のきわみに立っていらっしゃるようにお見受けできるのであった。
初秋のある日,豊村氏を訪ねて千葉県佐倉市へと出かけた。東京から京成線特急と各駅停車で1時間。沿線のあちこちに,名産の落花生畑が点在するなかを志津駅についた。
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