Medical Scope
超音波断層法の新しい技術
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.1061
発行日 1990年12月25日
Published Date 1990/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903268
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今日の周産期医療において,超音波断層法によるいろいろな診断技術はなくてはならない存在になっています。この医療技術の開発によって,私たち医療従事者と分娩に臨む女性たちや生まれてくる胎児たちがどんなに多くの恩恵をうけたかは想像を絶するものがあります。最初に開発された経腹的な超音波断層法でさえ,母体や胎児の異常を診断するだけでなく,胎児輸血などの胎児治療への糸口を切り開きました。
そして,今日では経腟的な昇技によって,経腹的には深くてなかなか明僚に麦現できなかった骨盤底部の所見をも描き出せるようになりました。経腟プローブという手法を用いることによって,妊娠のごく初期の胎芽の生死が明確にわかるようになったり,体外受精に用いる排卵した卵子の採取にもこの方法が使われて,その技術はより一層正確かつ容易になってきました。さらに最近では,もう一段の進歩が加わってきたのです。
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