Japanese
English
特別企画 母児早期接触の看護的再検討
訳
早期の母児接触と母子関係—Early Mother-Neonate Contact and The Mother-Child Relationship
Reprintcd with permission from J. Child Psychol. Psychiat.,
M. E. ラム
,
田村 文子
1
,
二渡 玉江
2
1群馬大学医療技術短期大学部看護学科(精神科看護)
2群馬大学医療技術短期大学部看護学科(成人看護)
pp.208-214
発行日 1985年3月25日
Published Date 1985/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206608
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ここ10年,分娩直後に母と児が早期接触することが,親の行動と児の発育に重要な意味があるという考え方が注目をあびている。KlausやKennell(1976),Lozoff他(1977),Klaus他(1972),Kennell他(1979),de Chateau(1976,1977,1980)らは,人間の母親には分娩直後に,他のいかなる時よりも子どもとのアタッチメント(attachment)やボンディング(bonding)が生じやすい感受期があると報告している。彼らは,この時期のボンディング過程が障害されると,虐待や育児放棄などの異常な親行動が発現しやすく,子どもの成長発達も遅れやすいと仮定した。最近の欧米(特にアメリカ)のほとんどの産科病棟では,出産直後に母子が分離させられることが一般的である。KlausとKennellらによれば,これは多くの母親が,子育てに失敗する危機的状態を招くものだとされている。彼らの主張は,その有名な著書「Maternal-Infant Bonding(1976)」から引用した次の文に要約されている。「生後数分,数時間のうちに感受期(Sensitive Period)が存在する。児の最善の発育のためには,この期間に母親と父親とが新生児と密接な接触を持つことが必要だ」(訳者注:竹内徹,柏木哲夫訳,母と子のきずな,医学書院,1979より引用)。
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