対談|医のアートを求めて・2
医療×映画—社会の枠組みからはみ出した「声にならない声」を表現する—映画『MOTHER マザー』より
大森 立嗣
1
,
平島 修
1
1徳洲会奄美ブロック総合診療研修センター
pp.343-348
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204220
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対談は大森立嗣監督の映画『MOTHERマザー(2020)』をもとに進めていった。この映画に描かれていたのは、貧困・虐待・犯罪といった社会の闇が最初から最後まで貫かれていた物語であった。親から暴力を受け続けた子どもが成長し、やがて思春期になり、他の子ども・社会と交わる中で、自分が受けている暴力が当たり前のことではないと知った時、いったい子どもはどのような声を上げるのか? 大森監督は映画人生を通して、こうした「声にならない声」を表現したいとおっしゃる。
社会に存在する全ての人を対象とする医師は、最新のエビデンスや医学知識と同等に、患者の背景を知る必要があり、それには芸術や文化、社会情勢といったところに目を向けることが大切である。そのことを、本対談を通して感じていただけたら幸いである。
(平島 修)
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