Medical Scope
再び,三たび新生児仮死
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.1068
発行日 1983年12月25日
Published Date 1983/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206367
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いまさら,新生児仮死の話題をここでとりあげて解説する時代でもないでしょう……と考えている助産婦諸姉も多いことと思います。私も,それは十分に知っているのですが,どうして,どうして最近では「新生児仮死」について,いろいろと新しい話題が語られるようになりました。そこで,標記のようなタイトルで,最近の発展したNICUからみた新生児仮死の話をしようと思います。
NICUの発展に伴って,新生児仮死をはじめとする出生直後の呼吸障害例に対する治療が非常な進歩をとげてきました。今までは死亡していた症例が救命されるようになったり,ただ出生直後の呼吸障害で死亡ということで終わっていた症例が頭蓋内出血であるということがわかったりして,新生児仮死をめぐる病態に多くの解説がなされる時代になってきたのです。そこで,NICUへ送院されてくるような重症な新生児仮死例,すなわち,生まれた産科の施設で仮死蘇生がうまくいかなかったような症例を中心に,その話題を追ってみました。ここでお話しする新生児仮死の症例はすべて成熟児で,重症なものだと思って下さい。
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