ケースレポート
3回めの経産婦に母乳育児を援助して
宮垣 朱美
1
1前:大分県中津市細川病院
pp.62-65
発行日 1983年1月25日
Published Date 1983/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206171
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はじめに
母乳栄養の重要性があらためて叫ばれている今日このごろですが,母親の方で母乳栄養で児を育てたいと考えていても,乳汁分泌不良や乳頭陥没,あるいは児が未熟なため吸啜できず,やむなく人工栄養になるケースも多いと考えます。また,反対に乳汁分泌量も哺乳力も十分ではあるが,母乳で育てる意欲のない場合も,自然に人工栄養に切り変わることが多いと考えます。
今回取り上げた事例は,乳房発育不良,右乳頭陥没のため児が吸わず,乳汁分泌不十分のため,前回,前々回の育児では人工乳を与え,母乳は出ないと最初からあきらめている母親に対して,母乳育児への援助を行なったケースです。母乳育児への意欲づけ,授乳介助による児の吸啜と乳房マッサージによる乳汁分泌促進をはかり,良い結果が得られましたのでここに報告します。
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