調査研究実践講座・2
統計学の基本[1]—代表値と分布
林 謙治
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
pp.160-165
発行日 1982年2月25日
Published Date 1982/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205977
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集団のある特性を表わす指標はいろいろあるが,その中で最も頻用されるのはおそらく平均値であろう。一般に平均値は測定された値をすべて合計し,その和を観察数で割ることはみなさんもよく知っている。数式で表わすと,ただしxiは観察された個体の測定値であり,Σはシグマとよばれ,各測定値をすべて合計するという意味である。平均値の計算は簡単で,個々の測定値を羅列する代りに1つの値で済ませることができる。この点で大変便利な指標であるといえよう。
さて,ここで読者のみなさんによく考えていただきたいのは平均値の背後にある意味についてである。平均値の意味を十分理解していないために誤った用い方をしていることがよくある。これからいくつかの例題をあげるので,よく検討していただきたい。
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