学生研究
妊娠中の性生活の実態調査—夫の側から
毛利 益江
1
,
川口 真弓
2
,
武石 尚子
2
,
永野 美子
2
,
湯坐 みどり
2
,
谷口 由美子
2
1福岡県立看護専門学校
2福岡県立看護専門学校保健婦助産婦科
pp.526-531
発行日 1981年7月25日
Published Date 1981/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205877
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1.はじめに
近年,性に対する考え方や対応の仕方は,次第に解放的になってきてはいるものの,一般的にはまだタブー視の傾向は根強いものがある。妊娠中の性生活においても,流早産を起こすからなるべく控えるべきだと言われている程度で,これについての適当な文献は見あたらない。また医療従事者による妊娠中の性生活についての積極的指導もなされておらず,夫婦間の話し合いにまかされているのが現状である。最近の妊婦を取り巻く生活環境は,核家族化傾向が進み,一方,夫婦の共同生活の意義が,本来の生殖機能よりもむしろ性的欲求の充足が優先されているかに見える現状の中で,妊娠中の家庭生活を円滑にするには,夫の妊娠に対する考え方や姿勢はいっそう重要になるのではないだろうか。
ところが妊娠中の性生活に対する妊婦側の調査資料はあるが,夫側からのものはほとんど見当たらない。そこで私達は妊娠中の性生活の実態を夫側から調査し,問題の所在を捉えて,今後の母子保健のあり方,助産婦の関わり方の一助としたいと思い,この研究に着手した。
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