トピックス
フイリッピン便り(第3報)
杉山 厚子
pp.845
発行日 1980年12月25日
Published Date 1980/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205797
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2週間に1度の割に到来する台風のために,仕事の中断を余儀なくされることもある今日この頃ですが,皆様お元気でしょうか。私のフイリッピンでの滞在期間も,余すとところ1か月にせまり,何かと気ぜわしさが増してきております。Kawitにもどり,10月上旬にマニラで開催された第7回APCO(Asian Parasite Control Organization)International Conferenceも終了し,今はほっとしているところです。
私たちはクリニック活動を再開し,家庭訪問などに出かけております。しかし私たちのいるクリニックは医師が常駐しておらず,住民へのアプローチが弱くなっております。当地の医師1)不足は日本以上に深刻で,卒業後約80%が留学や出稼ぎで海外に出ており,看護婦2)の間でも海外流出が目立ちます。自分たちの医療を自分たちだけでまかないきれない背後には,このような事情もあるようです。今日は家庭訪問で出合った出来事について報告いたしましょう。
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