特別企画 積極的な妊婦管理と自然分娩=Part・Ⅱ
巻頭記事
事例的にみた自然分娩の実際
三森 孔子
pp.290-298
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205543
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■呼吸法を中心に皆で呼吸を合わせてするお産
まず話のきっかけとして,たったさっき13時20分に産まれた男の赤ちゃんのことをお話しして,私の所でやっているお産について理解していただきたいと思います。このAさんは3人目なんですが,お産に参加したのは義母,それから夫も参加したかったんですが出張中でしたので……。あと,優秀な助手が2人付いていました。その優秀な助手というのは,1人は7年くらい私の所でお手伝いをしているまったく素人の人です(まさ子さん)。もう1人は産褥3日目で,このお産の終わった後,きょう帰られた方が一緒に参加してくれました。
私の所では,分娩室の中に入る人は見学という形じゃなくて全部お手伝いということです。産褥3日目の人は,ここのところ自宅でのお産が3人くらいあったものですから,毎日留守番をさせられちゃっていたんです。最後に「お産を見たい,見たい」と言っておりまして,やっときょう帰る間際になってそれが実現できました。で,一緒に呼吸をしたりしたのですが,自分のお産の時にはまったく喜んでしまっていて,涙を流すほどじゃなかったんです。でも,きょうのお産に一緒に参加しましてたいへん感激し,目を赤くしておりました。
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