特集 母と子のきずな
初産婦の妊娠・分娩・産褥各期をとおしての母性意識助長の援助について
柴田 弘子
1
1弘前大学医療技術短期大学部助産学特別専攻科
pp.590-596
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205434
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1.はじめに
最近は,"母性愛喪失の時代"と称されているほど,人工妊娠中絶の増加を始めとして,子供の生み捨て,子殺し,育児ノイローゼ等,きわめてショッキングな種々の話題がマスコミをにぎわしている。
女性には,かならず持って生まれた母性本能があり,自分の身を犠牲にしてまで子を守る美しさがたたえられてきたが,今日ではそのような社会背景から,「母性愛とは何か?」「すべての女性が持ちあわせているのか?」等の疑問が起き,"母性愛""母性行動"等の研究がすすめられ発表され始めている。"母性本能"と"母性意識"は区別され,"母性愛"は母となる女性の意識の程度であり,そして,それは幼い頃からの環境・性格・経験などを通しての成長・発達に左右され,その成長発達過程が大きくクローズアップされている。
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