私と読書
自らの内部に向かって行動しよう—「40歳の出発/2度目の人生論」を読んで
藤沢 洋子
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1大阪大学医療技術短期大学部看護科
pp.444-445
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205081
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この本との出会い
最初から私事で恐縮であるが,私は当年とって40歳である。ひと昔前であれば人生も残り少なくなったと感じたのであろうが,今では,人生半ばにさしかかったというのが実感である。このへんで今までの生き方を反省し,残りの人生をいかにしたら有意義に過ごせるかを考えてみる必要があると思っていた矢先であるから,このオニール夫婦の「40歳の出発」—2度目の人生論—というタイトルには,非常に興味深く接し,一気に読ませていただいた。
本誌Vol. 30,No. 4で,同じくオニール夫妻著の「オープンマリツヂ」が紹介されているが,この「オープンマリツヂ」ではオニール夫妻は,すばらしい人間関係を結婚制度の中に適応させる方法を書いている。そして,その後,人間関係の問題というのは,単に結婚のみにとどまるものではない,結婚の危機といわれる問題の背景にも,もっと根本的な問題,つまりどのようにしたら世の中とのかかわり合いを持って生きていけるかという問題がある,との考えから,結婚の問題のみにとどまらず,広く人生一般の問題をテーマに書かれたのがこの「40歳の出発」である。
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