連載 そういえば、私がん患者だった・第10回【最終回】
2度目のがん体験だったけれど
濵本 千春
1
1社会福祉法人広島YMCA福祉会YMCA訪問看護ステーション・ピース
pp.506-507
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201923
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もうすぐ、化学療法を終えて1年が経つ。さらに半年経つと、手術から2年目を迎える。この病気は2年経過できたら、再発の心配が少し軽減するらしい。現在、3か月に1回のCTを撮影するたびに、「もしも再発があったらどうしよう……」と心配し、「あ〜、よかった。取りあえず今回はセーフ。首がつながった……」とほっとするを繰り返している。
心配しても結果は変わらない。これからだって、いくら心配を重ねても再発するか否かは分からない。冷静に考えれば、悩むだけ無駄である。それでも、右往左往しながらこの微妙な無駄な時間を過ごしている。この心の動きは、人としてよくある揺らぎであり、当たり前な感情でもあり、ある意味、この体験そのものが、がん看護専門看護師の自分としては有意義な時間だと言える。
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