ケース・レポート
羊水過多10,000mlの事例に遭遇して
兼田 裕子
1
,
山西 みな子
1
,
栗原 喜代
1
,
渡部 トシ子
1
,
神永 啓子
1
,
布施 章子
1
,
熊坂 広子
1
,
内野 いく子
1
,
鈴木 英子
1
,
吉村 絵智子
1
,
小野 良子
1
,
中村 友江
1
,
三嶋 えりこ
1
,
天野 晴枝
1
,
普島 キミ
1
,
岡崎 キヨ子
1
,
米原 富世
1
,
菅原 ヒロ子
1
1国家公務員共済組合連合会稲田登戸病院
pp.96-104
発行日 1976年2月25日
Published Date 1976/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204991
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1.はじめに
日本産婦人科学会諸定義委員会の提案によれば,800ml以上で臨床症状を伴う場合を羊水過多症と定義している。教科書1)でもその90%は4,000ml以下であり,10,000ml以上に達するものは極めて稀であるとしている。
また羊水過多症と胎児の奇形とが密接な関係にあることも報告されている2)。三吉(1956)らによれば,出生時に外表奇形を認めた111例の新生児を調査し,それらの中18例(16.3%)に羊水過多症の合併を認め,全妊娠に対し1.25%と言われている頻度に比べ高率であったと言っている。当院においても,過去5年間に6例の事例を看護した。その中の5例は,無脳児,半陰陽,指・関節欠損,巨大児,双胎などであった。
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