特集 '75/助産婦活動のテーゼ
助産婦の仲間を訪ねて・1
産科診療所とタイアップした保健指導活動—加古川市・筑後産婦人科医院保健相談室のばあい
赤松 彰子
,
内田 真砂
,
草野 郁子
pp.22-29
発行日 1975年1月25日
Published Date 1975/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204800
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1.はじめに
昭和39年以来国保保健婦として働いてきた私は,行政のなかで,何事も広く浅く仕事を処理しなければならない活動方針に,疑問と焦りとを感じていた。昭和46年に家庭の事情で退職,その後再就職に際して,同じ道を歩むことに抵抗を感じ,母子専門の保健婦として働くべく助産学科に進んだ。49年3月卒業後免許を手にしたものの,働くべき某病院の産科は病棟閉鎖となった。その頃,開業産科医が保健婦を探しているとの情報を得た。
母子保健活動は,公的機関(医療,行政)の福祉サービスとして充実させるのが本来の姿ではないかと,日頃から私は考えていた。現行の医療保険制度では,それを開業医に求めるのは経済的に苦しいのではないかと思う。現に公立病院に保健指導部の必要性を説き,設置を求めた時も,院長より,独立採算制の経営で保健指導は行ない得ないと言われた。しかし,産科診療所である筑後先生は,妊娠中・産後に何らかの異常のあった産婦・新生児のその後の調査,管理をしてほしいとのことであった。
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