連載 私と読書
不安からの脱出を示唆—「不安を活かす」を読んで
西野 加代子
1
1弘前大学医学部附属助産婦学校
pp.365
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204723
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終戦後20数年間の日本における平和は,人間生活においても,いかにも満ち足りていてなんの不安もない社会のように思われている。
しかし,市場に出回る豊富な商品,希望する品はいつでもどこでも容易に手に入れることができる現在の日本の成長も,昨年あたりから石油・紙・電力などの資源不足を理由に大幅に値上りの傾向をみせ,また一方では日本の沈没とか人間社会の最後を予言する人類滅亡とか,世も末なることを予言した言葉が好んで使われ,「いったいこの世のなかはどのように変わってゆくのだろうか」と,誰もが思わずにはいられないような日本に変わりつつある。
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