連載 インターホン
助産婦への方向転換をして
椿 雪江
1
1都立荏原病院
pp.73
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204340
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看護婦になって2年間,学院卒業当時の良い看護婦になるという張りきった情熱もしぼんでしまい,何となく働いているという毎日を過ごしていた。これではいけない,気分転換でもして初心を思いだそう,と考えた。その結果,助産婦になるとは夢にも思ってもみなかった私だったが,入試も間近であるから競争率の少ない助産婦学校を受験しよう,などという不純な考えにいたり,助産婦への道を歩みはじめた。しかし,現在の私はこの道を選んでよかったと思う。私の人生は可能性の追求をすることにある,と日頃考えている。(こんなにだいそれたものではないが,文章にするとこうなる。)
看護をする人間として,助産婦の学校へ行ったことは,1歩前進したと思う。看護婦の時の私は,指導とは言っても,先輩によってなされてきたことを意味も考えず,ただ話をしていたという感じがする。自分がよくわからないものを,人がわかるはずがない,ということを後で知り,私から指導を受けた人に,本当に申しわけない,と思ったものである。一事が万事で,学問の深さを知っただけでもありがたい。
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