特集 計画分娩
計画分娩
尾島 信夫
1,2
1慶応大学産婦人科
2聖母病院産婦人科
pp.10-13
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204166
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計画分娩の意義
計画分娩という用語は最近用いられ始めたもので(昭和42年狐塚重治氏その他)日本産科婦人科学会でもまだはっきりとした約束はできていない。しかし昭和44年に「計画分娩」という主題で臨床大会にシンポジウムが行なわれており,それらを総括して(私の私案としては)次のように定義できるかと思う。すなわち「医学的適応以外の目的で,母児の安全な範囲内において予定の日時に分娩がすむようにさせること」である。
計画分娩とはなはだまぎらわしい用語に計画出産planned childbirthというものがある。これはいうまでもなく家族計画の一部であって,夫婦の間で,子供を何人もとうとか,同じ人数でもその間隔を何年ぐらいにしようとか,結婚後住宅問題が解決してからにしようとか,あるいは主婦が何歳になるまでに産みあげてしまおうとか,そういう計画に従って妊娠して子供をもつことであって,長期的な家庭の方針によるものである。計画出産という言葉は一般にも用いられているが,学会の用語集にも記載された立派な術語である。
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