特集 前回帝切妊婦の取り扱い
既往帝切妊婦の妊娠中の問題点
大内 広子
1
1東京女子医大産婦人科
pp.10-13,27
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203965
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はじめに
近時,帝王切開の適応が緩和され,その範囲が拡大したので,手術施行者の再妊娠に遭遇する機会は増加した。帝王に対する危険率も麻酔学の進歩,抗生物質による感染予防の確立,適正なる輸液,輸血の補給などにより減少したことにより産科医自身も以前ほどのきつい適応にしばられず,また妊婦および家族の分娩,とくに陣痛に対する忍耐性の欠除などにより帝切の多くなったことは事実である。今日帝切施行頻度は報告者によってことなるも日本では4〜5%といわれているが,この人たちの次回妊娠時にはいかなる経過をたどるか妊娠中の管理はことのほかむつかしい。妊婦はもちろん,産科医においても十分の警戒を必要とする。
今回は帝切後の妊娠において,帝切創の変化,起こりうる事故などを主体に,妊娠中の管理についてのべてみたい。
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