Medical scope
新生児黄疸と交換輸血—第22回日本産科婦人科学会総会シンポジウムから
島田 信宏
1
1国際聖母病院産科
pp.70
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203961
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第22回日本産科婦人科学会総会は5月11日から3日間大阪大学産婦人科学教室の主催で大阪市の厚生年金会館大ホールで盛大に開かれました。そのなかに2題のシンポジウムがあり,そのひとつが,「新生児黄疸と交換輸血」というテーマのものでした。多くの演者のかたがたの研究内容で助産婦諸姉にもぜひお知らせしたいものがありましたので,ここに私がまとめて報告することにします。
生理的な新生児黄疸の範囲を越えて治療を必要とするような新生児高ビリルビン血症はどんな新生児に多く発生するのか,という問題に関して,岡山大学の武田佳彦先生は,出生後に低血糖を示す新生児や特発性呼吸障害症候群の症例,中毒症の母体から出生した新生児などに多いということを示されました。また,吸引分娩児,ことに帽状腱膜下出血という大きな頭部の皮下出血を伴う症例では強度な黄疸が多くなるので注意しなくてはならないということです。
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