婦人の目
本を読まない子
山主 敏子
pp.57
発行日 1970年2月1日
Published Date 1970/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203887
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このごろはあまりカギっ子の弊害というようなことはいわれなくなったが,働いているお母さんはみな,子どものしつけに目が届かないのではないかと心配している.といって朝から晩まで子どもべったりでいればいい子に育つかといえば,必ずしもそうではない.あまり干渉されると,おとなしい子は萎縮するし,きかん気の子なら親への反抗心をつのらせる,その反抗心は,いつの日か爆発して手のつけられない子にならないともかぎらない.子どものしつけとは,まことにむずかしいものである.
とくに近ごろ,お母さんたちからきく心配は,"子どもが本を読まなくてこまります."ということである.ほんとうに子どもたちは本を読まないのだろうか?だが,子どもの本の新刊はどしどし出版されて,どこの本屋もいい合わせたように,児童図書の棚をひろげている.そして子どもの本の出版社がつぶれたという話もあまり聞かない.ということは,やはり結構子どもの本は買われているということなのであろう.
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